デル(DELL)のRAIDコントローラ「PERC」は、各種RAID機能をハードウェアで実現するオプションです。OSからはPERC自体がハードディスクと同じように見えます。ここではPERC 5i Integratedを使って、ディスククラッシュ時の手順や挙動などをまとめます。
PERC 5iは内部ポート2つを持ち、RAID0、1、5、10、50に対応しています。iはinternalの略で、5e(external)という製品もあり、こちらは外部ポート2つ持ちます。メモリはDDR2 256MB、RAIDの演算を行うプロセッサにはIntel IOP333 I/Oが使われています。
PowerEdge 1950の2.5インチハードディスク構成では、ハードディスクが4台搭載でき、PERC 5i下でこの4台が管理されます。RAID1に2台とホットスペア2台を用意した状態で、故障時の挙動はどのようになるのか確かめてみます。
初期状態としては、Disk0とDisk1はRAID1(ミラー)構成とし、Disk2とDisk3をホットスペアとして設定しています(番号は本体前面に記載された番号:0~3)。
この構成で正常に動作している状態から、Disk1を突然抜いてみます。結果は以下のようになりました。
状態 | Disk0 | Disk1 | Disk2 | Disk3 |
正常状態 | ○ | ○ | HS | HS |
Disk1を取り外し | ○ | × | HS | HS |
Disk3自動割り当て | ○ | × | HS | ● |
正常状態 | ○ | × | HS | ○ |
Disk3を取り外し | ○ | × | HS | × |
Disk2自動割り当て | ○ | × | ● | × |
正常状態 | ○ | × | ○ | × |
○:オンライン HS:ホットスペアとして待機 ●:修復中
2つのホットスペアが存在しますが、ホットスペアの設定順序によらず、番号が後ろ側のものから使われるようです。Disk1が異常になって数秒後にDisk3にミラーが開始されます。
この際、ディスク全体をコピーする作業になるため、完全にミラー状態に戻るには、ハードディスク全体を読み書きする時間が必要になります。
構成が修復された後、さらにDisk3を抜いてみると、残りのDisk2が割り当てられ、自動的に修復作業に入ります。
ハードディスクを追加する場合、PERCへの登録(PERCからのディスクへの管理情報の書き込み)が必要です。ハードディスクを本体に挿入すると、PERC上では別のコントローラ管理しているかもしれない(自分は管理していない)「Foreign」という表示になります。
「Foreign」の状態ではディスクに対して操作ができないので、まずは「Foreign」状態をクリアする(ディスク情報をイニシャライズする必要があります。この作業は、コントローラの操作メニューから行います。
ディスクが使えるようになったら、「PV」仮想ディスク(VD)を構成する1つとして組み込むか、ホットスペアとして登録します。