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EXPRESSSCOPEエンジンを使う

[基本編] リモートからのOSインストール

iモデルにはリモート管理を実現するためのEXPRESSSCOPEエンジン(以下、EXPRESSSCOPE)が搭載されています(i110Ra-1hを除く)。いわゆる“BMC(Baseboard Management Controller)”と呼ばれる管理チップで、サーバ本体の稼働状況に関わらず(本体の電源が落ちていても)動作します。EXPRESSSCOPEが提供する機能は多岐にわたりますが、ここではリモートデバイス機能(リモートKVMとリモートメディア)を利用してOSのインストールにチャレンジしてみます。

by morihide

リモートKVM/リモートメディアとは

まず、今回利用する機能について簡単に説明しておきます。リモートKVMはリモートからのコンソール操作を可能にする機能、リモートメディアは管理PC側にあるFDDやCD-ROMなどのメディアをサーバにマウントする機能です(イメージファイルにも対応しています)。この2つの機能を組み合わせれば、遠隔地にあるまっさらな状態のサーバでもOSのインストールやアップグレードが行えるわけです。OSのインストールのような作業は実機を前にしたほうが安心して行えますが、サーバが移動に半日かかるような場所にあると1日仕事になってしまいます。このようなときに、リモートデバイス機能が使えると便利です。

ちなみに、リモートKVMとリモートメディアはオプション扱いになっており、「N8115-03 リモートマネージメント拡張ライセンス」が必要になります。管理画面よりライセンスキーを登録することで、すぐに利用ができるようになります。

テスト環境

Express5800/i110Rc-1h

作業に入る前に、テスト環境を紹介しておきましょう。使用したサーバは、2007年10月16日に販売開始されたばかりの最新モデル「Express5800/i110Rc-1h」(以下、i110Rc-1h)です。ラックの1Uスペースに前後に2台設置可能な1Uハーフサーバで、今回使用した機種はCPUがインテルCore 2 Duo T7400(2.16GHz)、2.5インチSASハードディスク(73.2GB)×2台、ディスクアレイコントローラ「N8103-105」を搭載した機種です。詳しいスペックはこちらをご覧ください。

今回はこのサーバにFedora 7をインストールすることにしました。Fedora 7を選んだのは、デストリビューション動作確認情報にこのディストリビューションの情報がまだ登場しておらず、また、新しいディストリビューションのほうがインストールに手間がかからない傾向があるからです。

Fedora 7のインストールメディアには、ネットワークインストール用のboot.isoを利用しました。boot.isoは容量わずか7.71MBの小さなイメージファイルです。もうすぐFedora 8がリリースされるというのに、いまさら2.7GBもあるフルセットのDVDイメージをダウンロードしたくなかったというのがboot.isoを選んだ理由です。

最後に管理PCの環境ですが、OSはWindows XP SP2、ブラウザにはIE7を使いました。ちなみに、EXPRESSSCOPEのマニュアルには、Web管理コンソールの動作環境として以下の条件が書かれています。

動作対応ブラウザ
Windows XPおよびWindows Server 2003上の以下のブラウザで動作します。
 - Microsoft Internet Explorer 6.0
 - Firefox 1.5
※ブラウザは最新のサービスパック及びセキュリティパッチを適用した状態で
 ご利用になることをお勧めします。
※Firefoxを利用する場合は、リンクをクリックしても別タブ表示しないように
 設定をしてください。
筆者のWindows PCに入っているブラウザはFirefox 2.0とIE7で、普段はFirefoxを利用しています。しかし、下の注意事項に引っかかる(リンクのクリックで別タブを開く設定になっている)ので、いちいち設定を変更するよりも普段使っていないIE7を利用するほうが楽と判断しました。

その他の条件としては、Java(J2SE Runtime Environment, Standard Editon 5.0以上)がインストールされていることがあげられています。リモートKVMやリモートメディアといったツールがJavaアプレットとして実装されているためです。

EXPRESSSCOPEを利用するには

managementport.jpg それでは作業に入りましょう。EXPRESSSCOPEを利用してリモート管理を行うには、マネジメントポート(「M」と書かれているネットワークポート)がネットワークに接続されている必要があります。また、今回はネットワークインストールを行うので、本体側のLANポートも接続しておく必要があります。なお、サービス提供用ネットワークと管理用ネットワークは分離しておくのが一般的ですが、ここでは同一のネットワークに接続しました。

工場出荷時の設定では、マネジメントポートにIPアドレス「192.168.1.1」が設定されており、管理PCのブラウザから「http://192.168.1.1/」にアクセスすれば、サーバに電源が入っていなくてもEXPRESSSCOPEが利用できます。ただし、すぐに利用できるのは「192.168.1.1」が同一ネットワーク上のアドレスとして認識され、かつ他のマシンで使われていない場合にかぎります。テスト環境は「172.17.4.0/255.255.255.0」のネットワークなので、残念ながらケーブルを接続するだけでは利用できませんでした。そこでまずはEXPRESSSCOPEの設定を行います。

EXPRESSBUILDERのメニュー画面。サーバにキーボード、ディスプレイ、USB接続の光学ドライブを繋げて、iモデル付属のCD-ROM「EXPRESSBUILDER」からサーバを起動します。右のメニュー画面が表示されるので、「ツール」→「リモートマネジメント機能」→「BMC Webサーバの設定」と進みます。

ネットワークの設定。ここでは「IPアドレス」と「デフォルトゲートウェイ」を変更しました。変更する項目に矢印キーで移動してEnterを押し、新しいアドレスを入力したら「登録」に移動してEnterを入力します。今回はIPアドレスを「172.17.4.129」にしました。ここで、いったんサーバの電源を落とします。キーボードやディスプレイ、USB光学ドライブはもう使わないので外しても大丈夫です。

念のため、Express5800 iDCビジネスサポートセンター(0120-54-8725)に「他の設定方法がないか?」と確認してみたところ、もっと簡単に設定できるようなツールの提供を予定しているとのことでした。また、工場出荷時にユーザーに指定されたネットワーク設定を行う代行サービスも有償で提供しているとのことです。データセンタにまとめて導入する際はこちらのサービスの利用を検討してみるとよいでしょう。

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