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SIGMABLADE+!SigmaSystemCenterによる障害自動復旧システムの構築

バックアップシナリオの作成とディスクイメージの作成

デプロイメント用のディスクイメージには、マスタサーバからバックアップしたディスクイメージを利用します。そこで管理対象サーバのバックアップを行うわけですが、それにはまず、バックアップ用のシナリオを作成してから、シナリオを対象サーバに適用して実行するという手順を踏みます。このように作業内容をシナリオ化することで、条件設定によるシナリオの自動実行が可能になるわけです。

バックアップシナリオの作成

まず、System-A用のバックアップシナリオを作成します。DeploymentManager(DPM)のメニューから「シナリオ」→「シナリオファイルの作成」を選択し、表示された画面で「バックアップ/リストア」タブをクリックします。この画面では、「バックアップ/リストアを選択する」をチェックして、その下の「バックアップ」をチェックします。そして、「イメージファイル」にはバックアップ先となるイメージファイルのパスを指定します。今回は管理サーバのローカルディスク(F:ドライブ)にイメージファイルを保存するようにしています。

その下の「バックアップ/リストア対象」では、バックアップの対象となるディスク・パーティションを選択します。今回は「パーティション指定」はデフォルト値の「指定しない(ディスク全体)」のままにしました。「バックアップファイル世代管理数」には何世代前までバックアップデータを残しておくのかを指定します。また、「ベリファイデータを作成する」をチェックすると、イメージファイルが壊れていないかどうかを確認するためのチェックサムデータがイメージファイルと一緒に生成されるようになります。今回はデータを5世代前まで残し、ベリファイデータは作成しないことにしました。

一番下の「シナリオ名」にはこのシナリオを識別するための名前(ここでは「Backup_System-A」)を入力します。以上の項目を入力したら、「オプション」タブをクリックします。

「オプション」タブでは、「実行前に再起動の強制実行を行う」をチェックします。これはDPMでは、管理対象サーバをLANブートを使ってLinuxベースの専用OSで起動し、その状態でバックアップ/リストアを行うためです。もちろん、OSの切り替え等を必要としない作業のシナリオではこの項目をチェックする必要はありません。「OK」ボタンをクリックしてシナリオの作成を完了します。

シナリオを作成したら、それを管理対象サーバにひもづけます。DPMのツリービューで対象サーバを右クリックし、メニューから「シナリオ」→ シナリオ割当て」を選択し、割り当てるシナリオ(ここでは「Backup-System-A」)を選びます。

バックアップの実行

サーバに割り当てたシナリオを実行してみましょう。DPMのツリービューで対象サーバ(System-A)を右クリックし、メニューから「シナリオ」→ シナリオ実行」を選択します。すると、確認画面が表示されるので、「OK」ボタンをクリックします。

対象サーバが専用OSで再起動され、バックアップが開始されます。下はバックアップ実行中のDPMの画面です。対象サーバの「ステータス」が「シナリオ実行中」になっているのがわかります。

こちらはバックアップ実行中の専用OSの画面です。バックアップが完了すると対象サーバはインストールされているOSで再起動します。

リストアシナリオの作成

バックアップシナリオと同様の手順でリストア用のシナリオも作成します。「バックアップ/リストアを選択する」とその下の「リストア」をチェックし、「イメージファイル」にはバックアップシナリオと同じパスを指定します。また、「オプション」タブで「実行前に再起動の強制実行を行う」をチェックします。

バックアップシナリオとリストアシナリオの作成、バックアップの実行は対象サーバごとに行ってください。ここまでの作業が終わったら、DPMのツリービューの管理サーバを右クリックし、「アクセスモード変更」→「参照モード」を選択して、参照モードに戻しておきます。

Windows用パラメータファイルの作成

バックアップしたイメージをリストアするには、ディスクイメージとリストアシナリオのほかに、パラメータファイルが必要になります。このパラメータファイルはOSの基本設定情報を保持するファイルで、対象OSがWindows Serverの場合は「セットアップパラメータファイル」と「ディスク複製用情報ファイル」の2つを用意します。一方、Linuxの場合は「ディスク複製パラメータファイル」という1つのファイルにまとめられています。まずは、Windows用のパラメータファイルを作成してみます。

「スタート」メニューから「すべてのプログラム」→「DeploymentManger」→「イメージビルダー」を選択して、イメージビルダーを起動します。「セットアップパラメータファイルの作成」ボタンをクリックします。

「セットアップパラメータファイルの作成」画面が開くので、「ファイル」メニューから「情報ファイル新規作成」を選択します。作成するファイルの種類を指定するダイアログが表示されるので、「Windowsパラメータファイル」を選択してください。

セットアップパラメータファイルを作成するためのウィザードが起動します。基本的にこのウィザードではWindowsをインストールする際に指定するのと同様の情報を入力します。ウィザードの指示に従って各項目を設定してください。

ウィザードでの入力が完了すると、パラメータファイルの保存先を指定するダイアログが表示されます。ここではファイル名を「ssc」としました(拡張子「.txt」が自動的に付与されます)。

続けてWindows用のディスク複製用情報ファイルを作成します。「セットアップパラメータファイルの作成」画面で「ファイル」メニューから「ディスク複製用情報ファイル新規作成」を選択します。するとファイル選択ダイアログが開くので、先ほど保存したセットアップパラメータファイルを選択して開いてください。

ディスク複製用情報ファイルの設定画面が開きます。この画面にはパラメータファイルから抽出された情報が反映されています。「コンピュータ名」の項目にバックアップシナリオを実行したサーバの サーバ名を入力して「OK」ボタンをクリックします。

Linux用パラメータファイルの作成

続けてLinux用のパラメータファイルも作成します。「セットアップパラメータファイルの作成」画面で「ファイル」メニューから「情報ファイル新規作成」を選択し、表示されたダイアログで「Linuxディスク複製パラメータファイル」を選択します。すると下の画面が表示されます。この画面では「作業モード選択」で「オンラインモード」がチェックされていることを確認し、「保存」ボタンをクリックして次の画面に進みます。

次の画面では、MACアドレス、DNSサーバのアドレス、ネットワーク情報などを設定します。ネットワーク情報を設定するには、使用するネットワークインタフェースのIPアドレス(この例では「eth0」の「DHCP」の部分)を選択して、編集ボタンをクリックします。

ネットワーク情報設定画面が開きます。ここではバックアップシナリオを実行したサーバのホスト名、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイアドレスを設定します。「保存」ボタンをクリックすると、前の画面に戻るので「ファイル保存」ボタンをクリックしてパラメータファイルを保存してください。

以上で、DPMにおけるセットアップ作業は終了です。


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