エンコーディング

Matroska Theora は、必ずしもメジャーなフォーマットではないため、作成方法が限定される。 また、使用するツールによっては、不具合が生じる場合もある。

2009/06 現在、Windows 用で、実行バイナリーが提供されていて、問題なくコンテンツが作成可能な 例を記しておく。

基本的なワークフローは、

  1. ビデオソースを Theora へエンコード
  2. オーディオソースを Vorbis へエンコード
  3. Matroska マルチプレクサーで上記でエンコードしたコンテンツを多重化

となる。

ツール

リンク先の作者サイトから、Windows バイナリーを入手できる。全てコマンドラインツールなので、 PATH 環境変数が設定されたフォルダーへ、実行ファイルを配置しておく。

ffmpeg2theora

Theora エンコーダー

http://v2v.cc/~j/ffmpeg2theora/

aoTuV

Vorbis エンコーダー

http://www.geocities.jp/aoyoume/aotuv/

MKVToolnix

Matroska マルチプレクサー

http://www.bunkus.org/videotools/mkvtoolnix/

Theora エンコーディング

ffmpeg2theora

ffmpeg を入力用バックエンドに使用した、Theora エンコーダー。エンコード用ライブラリは、 公式の libtheora で、ffmpeg で入力できるソースファイルに対応している。

主なオプション

-o (File) 出力ファイル設定

-v ビデオ品質 (0 - 10) デフォルト:5 大きいほど品質高

-K キーフレーム間隔 (1 - 65536) デフォルト:64

--noaudio オーディオ出力無効化

実行例

> ffmpeg2theora -o test.ogv test.yuv

> ffmpeg2theora -o test.ogv --noaudio test.avi

Vorbis エンコーディング

オーディオデーターを使用する場合は、Vorbis フォーマットへエンコードする。

aoTuV

aoTuV は、公式の libvorbis ライブラリに改良を加えてエンコード音質を向上させた、 Vorbis エンコーダーである。aoTuV の改良点は、公式ライブラリにも適用される予定である。

入力フォーマットは、WAVE ファイル (PCM) のみ。

主なオプション

-q(品質) (-2 - 10) デフォルト:2 大きいほど品質高 (-q2:96 kbps, -q6:192 kbps 相当)

実行例

> venc -q6 test.wav test.ogg

Matroska マルチプレクシング

エンコードされた Theora, Vorbis ファイルを Matroska フォーマットへ マルチプレクシング (多重化) する。

この工程は、コンテナフォーマットの変換にあたるので、変換によって画質や音質の劣化が生じる ことはない。コンテナオーバーヘッドの違いから、Ogg -> Matroska 変換で、ファイルサイズは、 若干減少する。

MKVToolnix

MKVToolnix は、Matroska フォーマットを処理するフリーのツール。Windows 版のバイナリー ファイルが公式で配布されている。

Matroska ファイルを作成する、mkvmerge ツールを使用する。

主なオプション

-o (File) 出力ファイル設定

実行例

> mkvmerge -o test.mkv test.ogv

> mkvmerge -o test.mka test.ogg

> mkvmerge -o test.mkv test.ogv test.ogg

その他の使用法

MKVToolnix では、Theora + Vorbis が多重化された ogg (ogv) ファイルを、 Matroska へ再多重化 (コンテナ変換) することもできる。