[JM:03700] Re: [POST:RO] GNU tar 全 man ファイル(add_ja)

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2022年 5月 21日 (土) 11:56:52 JST


長南です。

これは答えておかなければいけませんね。

> また別に私は [JM:03661] において
> > GNU自由文書ライセンスを使う上でのヒント
> > https://www.gnu.org/licenses/fdl-howto.ja.html
> > ライセンス告知はどこに載せるべきですか。
> >
> > 私の主張の一端がまさにこれです。
> とメールしました。
>
> 上の参照URL先では、ライセンス告知をどこに書くべき
> かとして、texinfo ファイルを例にしているのですが、それは
> texinfoファイルの本文中ではなく、コメントとしてライセンス告知
> を表記する例を示しています。

紹介なさっている記事のこの部分ですね。

> あなたの文書の「メイン」なファイルに完全なライセンス告知を載せるだけで
> 十分です。たとえばEmacs Lispリファレンスマニュアルの場合、elisp.texi
> からincludeされるファイルが多数ありますが、完全なライセンス告知は
> elisp.texiに載せています。あとのファイルには(日本語訳すると)
> 単にこう書いてあるだけです: 
>
>  @c -*-texinfo-*-
>  @c このファイルはGNU Emacs Lisp リファレンスマニュアルの一部です。
>  @c Copyright (C) 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1999
>  @c   Free Software Foundation, Inc.
>  @c 複製に関する諸条件については、elisp.texiを参照してください。
    
記事の文章は、具体的にどういうことかわかりにくいので、
elisp.info.gz と elisp.texi.tar.gz をダウンロードして、
試してみました。

"info -f ./elisp.info.gz" を実行すると、最初のページにこんなふうに
Copyright notice とライセンスが表示されます。

  This is the ‘GNU Emacs Lisp Reference Manual’ corresponding
  to Emacs version 28.1.

   Copyright © 1990–1996, 1998–2022 Free Software Foundation, Inc.

     Permission is granted to copy, distribute and/or modify this
     document under the terms of the GNU Free Documentation License,
     Version 1.3 or any later version published by the Free Software
     Foundation; ----(以下省略) ----

つまり、メインファイルの elisp.texi では、本文中に Copyright notice と
「ライセンスは GNU Free Documentation License, Version 1.3 云々」
との告知を書いておく。そして、他の texi ファイルでは、Copyright notice は
コメント中に書き、ライセンスの方も、その参照先をコメント中に書くだけで
済ませる。そうすると、info コマンドを実行したとき、メインファイル中の
該当部分が表示される。そういうことですね。

この記事は、むしろ、info コマンドで表示される Copyright やライセンスの
告知は、メインファイルに書いてあるものだけなのだから、きちんとした形で
書くのはメインファイル中だけでよく、他のファイル中の同内容の記述は、
コメントやコメント中の参照指定でよい、と言っているだけではありませんか。

なお、一般のユーザは texi ファイルを持っていません。また、texi ファイル中の
コメントは info ファイルに反映しません。ですから、一般ユーザが見ることのできる
Copyright とライセンスの告知は、info コマンドで見えるところにあるもの
だけです (厳密に言うと、たぶん同じものが info ファイルの普通表示されない
ところにもう一箇所あります)。

順番が逆になりましたが、こちらについても書いておきます。

> 私は [JM:03651] において
> > この問題は、特に本プロジェクトのように、翻訳者が次から次へと
> > バケツリレー的に受け継いで翻訳していく(可能性のある)翻訳
> > プロジェクトにおいて、何気なく問題となるものと思います。
> > man ページの本文中に、その時の翻訳担当者が謝意を表したとして、
> > その後、後続の翻訳担当者が順次更新していったとします。
> > そのうちに、その謝意を表した、つまり引用、流用させて頂いた部分
> > が原文からなくなったとします。そんな場合に、本文中に含まれて
> > いる謝意の文章は、そのまま残しますか? 削除しますか?
> > 後続の翻訳者は、引用、流用がどのように行われたのか、詳細に
> > 分かりません。したがって残すしかありません。でも原文からなくなって
> > いたら、引用、流用もなくなっているはずで、おかしな状況に陥り
> > ます。man ページ本文に書いてしまうから、それが起こると思います。
> > README や man ページコメントに、「ver 1.23 時点において
> > 誰それの何々を参考にしました。感謝します。」と書いておくのが、
> > もっとも無難なやり方と思います。
> と書きました。これをどうお考えですか?

まず、挨拶は、相手に聞こえるように、わかるように言わないと、
意味がありません。謝辞とか Acknowledgment というのは、要するに
挨拶でしょう。ですから、そうしたものは、普通、特別なことをしないでも
見えるところに書いておくものではないでしょうか。紙の本ならば、
前書きか後書きに。man ページや info マニュアルや pdf ファイルならば、
そうしたものを読むために普段使うツールで読めるところに (つまり、
less などではなく、man や info や pdf リーダーで読めるところに)。

実際にどうなっているかですが、info マニュアルの場合なら、
/usr/share/info で

  $ zegrep "Node: *(Credit|Acknowledgment)" *.gz

とすると、Credits や Acknowledgments というセクションを立てている
info マニュアルが見つかります。当方の場合、たった二つですけれど。
また、前書き (Introduction などのセクション) で一種の Acknowledgment
をやっているものもあります (find など)。ですから、事実上 Acknowlegdment
を本文中のどこかで行っている info マニュアルは、もっとたくさんあるのでは
ないかと思います。

# GNU Emacs Lisp Reference Manual (elisp.info) の場合は、
# Introduction に Acknowlegdments というサブセクションがあります。

一般的な謝辞については、私だったら、要らなくなったことがはっきりして
いるものは消しますが、曖昧なものは念のために残しておきます。それで
誰も困らないでしょうから。とは言え、そのへんは現在の校訂者の考えに
任せてよいと思います。そろそろいらないだろうというのも、一つの判断です。

引用について対象になるのは、「どこどこは何々さんの翻訳を使わせて
いただきました」といった記述でしょう。たいていの場合、場所がわかって
いるのですから、その記述を消すか残すかの判断も、そんなに難しくないだろう
と思います。

-- 
長南洋一


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