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翻訳スタイルガイド ( 第1版 )

基本

Android ドキュメント日本語翻訳プロジェクトであつかう文書は、 基本的に技術文書なので、翻訳する際の優先順位としては

  1. 間違いがない
  2. 誤解を招きにくい
  3. 読みやすい

の順です。美しい文章を目指す必要はありません。
簡潔で、一読して意味がわかるのがこのプロジェクトにおける「よい文章」です。

文体

本文

基本は敬体 ( です・ます調 ) ですが、文語体ではなく、口語体にしてください。
尊敬語や謙譲語は使用せず、丁寧語にします。

タイトル

ページやセクションのタイトルは常体 ( である・だ ) かつ体言止め、句読点なしとします。

例: Installing the SDK
  × : SDK をインストールします
  ○ : SDK のインストール

箇条書き

箇条書きにされた項目も敬体にします。
句読点の使用の有無は原文に合わせます。

主語

物が主語の場合は普通に訳しますが、人を表す主語はほとんどの場合省略します。
目的語を主語にしてしまうほうが訳しやすい / 読みやすい場合が多いです。

例: If you encounter any problems during installation, 
  × : あなたがインストール中に問題に行き当たった場合は、
  ○ : インストール中に問題が発生した場合は、

主語の「it」は訳しません。どうしても主語が必要な場合は、直前の文の主語を再度使用したりします。

例: It extends the capabilites of Eclipse to let you...
訳: プラグインによって Eclipse の機能が拡張され、...

漢字の使用

漢字を使いすぎないようにします。
「ください」「わからない」「たとえば」「など」などは、ひらがなで書きます。

そのほかにも、接続詞 ( 「または」や「さらに」など ) や、副詞 ( 「すべて」、「おおよそ」など ) の一部はひらがなで書きます。

× : ディレクトリ及びファイルに関して、
○ : ディレクトリおよびファイルに関して、

「ある」「ない」は、存在の有無についてであっても、ひらがなとします。

× : ファイルが無い場合は
○ : ファイルがない場合は

Benten の警告が出た場合 ( たとえば「「既に」は使用してはなりません。代わりに「すでに」を使用してください。」など ) は、 メッセージに従って修正してください。

文字

全角文字と半角文字の使い分け

  • 句読点は全角の「。」と「、」を使用します。
  • 全角の「.」「,」は使用しません。
    原文のまま英語とする部分では、半角の「.」「,」はそのままにします。
  • 英数字には半角文字を使用し、全角英数字は使用しません。
  • 全角スペースと半角カタカナは使用しません。
  • 半角クエスチョンマーク ? やエクスクラメーションマーク ! は、そのまま半角記号を使用します。
    記号の後ろには、半角スペースを入れてください ( 文末の場合は除きます )。
    「?」や「!」を訳文中で使いにくい場合は、使用しなくてもかまいません。
  • ダブルクォート " " もそのまま使用します。
    ダブルクォートの外側には半角スペースを入れてください。
× : Android、 3,000、 1つ
○ : Android、 3,000、 1 つ

スペースの使用

  • 英単語や数字、半角記号と全角文字の間には、半角スペースを空けます。
    英単語と数字や半角記号間については、原文に従います。
    • 以下の例では△は半角スペースを表しています。
× : もしAndroidプラットフォームのバージョンが1.5以下の場合
○ : もし△Android△プラットフォームのバージョンが△1.5△以下の場合
例: "Eclipse Classic" version is recommended.
訳: "Eclipse Classic"△バージョンがおすすめです。
  • ただし、文章の先頭や、句読点の前後には半角スペースは空けません。
例: Android△プラグインの設定時や、SDK△ツールの...

括弧の使用

  • 原文で使用されている半角括弧 ( ) をそのまま使用します。
    開始括弧「(」の前、閉じ括弧「)」の後ろには、半角スペースを空けます。
    括弧の中身が全角文字の場合は、それぞれの括弧の内側にも半角スペースを空けてください。
    括弧の中身が原文と同じ ( つまり半角の英数字のみ ) の場合は、原文の表記に従ってください。
例: Android△Development△Tools△(ADT)△プラグイン
例: 基本的な△(△しかし機能的な△)△開発環境の設定か、
  • 括弧が文末などにくる場合、閉じ括弧の前 ( 内側 ) には句読点は入れません ( 外に出してください )。

カタカナ語

カタカナ語については、表記ゆれを減らすため、用語集と翻訳メモリを確認してください。

語尾の長音

  • 文字数が 3 文字以下の場合、長音「ー」を付けます。
例: キー、バー、エラー、コピー、ビュー、サーバー、ユーザー、メニュー、レイヤー
  • 4 文字以上の場合は伸ばしません ( 拗音撥音長音も数えます )。
例: エディタ、デバッガ、ドライバ、エミュレータ、コンピュータ、アーキテクチャ、アクティビティ
  • ただし、以下の語は慣用に従い、例外的に次の表記とします。
データ、メモリ、ベクタ フォント
カレンダー、デベロッパー、テレフォニー
  • 「ヴ」「ヴァ」などは使用せず、「ブ」「バ」などを使用します。
例: ビュー、バージョン、アーカイブ
  • interface は「インターフェース」とします。

合成語

2 つ以上の単語からなる合成語をカタカナ語で並べる場合、単語はそのまま続けます。
中黒 ( ・ ) や半角スペースは使用しません。

例: sample code
  × : サンプル・コード
  ○ : サンプルコード

ハイフン「-」でつながれた単語を前後ともカタカナ語に訳す場合、ハイフンも半角スペースも使用せずにつなげます。

例 : touch-screen
  × : タッチ-スクリーン、タッチ△スクリーン
  ○ : タッチスクリーン

3 つ以上のカタカナ語が連なる場合、途中に「の」を入れますが、
「の」を入れない形でよく使用されている語の場合は、入れる必要はありません。

例: default project Activity
  × : デフォルト プロジェクト アクティビティ
  ○ : デフォルトのプロジェクトアクティビティ
    ※ 場合によっては、2 つめと 3 つめの間に「の」が入ります。
例: カスタムハードウェアプロファイル

複数形

複数形はたいていの場合気にする必要はありません。
英略語に複数形の s が付いている場合、s を取り除きます。

例 : Use Google Maps APIs.
訳 : Google Maps API を使用します。

例外

Windows や Eclipse などの UI に使用される語の場合は、 上のルールは無視して実際に表示される文字列を使用します。
( Eclipse の「プロジェクト・エクスプローラー」など )

その他

  • ページタイトルの「 | Android Developers」の部分は訳しません。
例: Download the Android SDK | Android Developers
  × : Android SDK のダウンロード | Android デベロッパー
  ○ : Android SDK のダウンロード | Android Developers
  • HTML タグ内の value や alt などの属性値は訳しません。
  • <code> タグで囲まれた文字列は訳しません。
  • クラス名、メソッド名、変数名などは訳しません。
  • プロパティファイルのサンプルなども訳しません。
  • ソースコード内のコメントも訳しません。
  • <a> タグで挟まれている文字列は訳します。
    リンク先ページタイトルやセクションのタイトルは、全角鍵括弧「」で囲むことはせず、
    そのまま ( リンク先に合わせて ) 訳します。
  • テーブルの中の文章については、そのテーブル全体を見て、
    セル内にピリオドがなく短い文章ばかりであれば、常体の体言止めで訳します。
    複数文章の入っている場合は、全てのセルの文章を敬体で訳します。
    文末の「。」の有無は、原文の「.」ピリオドに合わせます。
  • following: などのコロン「:」は、半角のコロンのままにします。
例: you can download it from this location:
訳: 次の場所からダウンロードできます:
  • 文の途中に現れるコロンも、半角コロンのままにします。
    この場合、前後に半角スペースを入れます。
    ( 翻訳単位がコロンで終わっている場合、コロンの前にだけ入れてください。)
例 : ~ setting up your SDK: adding platforms and other components.
訳 : ~ SDK を設定してください△:△プラットフォームとその他のコンポーネントを△SDK△に追加します。
  • セミコロン「;」についても、コロン「:」と同じ扱いにします。
  • ページやセクションのタイトルを全角鍵括弧「」で囲むことはしません。
  • 書籍タイトル ( とわかっているもの ) は、全角二重鍵括弧『』で囲みます。
    日本語訳が出版されていることがわかっている場合は日本語タイトルを使用しますが、
    知らない場合は原文のままとします。
  • ボタンやメニューなどの UI については、半角鍵括弧 [ ] で囲みます。
    開始括弧と閉じ括弧のそれぞれの前後に半角スペースを入れます。
    ( UI らしいものは、下記の例のように大文字で始まっていたりします )
例 : On Windows, right-click on My Computer, and select Properties. 
訳 : Windows 上では、[△マイ△コンピュータ△]△を右クリックし、[△プロパティ△]△を選択します。
  • Windows の項目は、わかる範囲で日本語版 Windows の表示を確認し、合わせます。
    ( Windows 以外で作業している翻訳者 / レビューア は、用語集を調べたり、ML で質問してください )
  • Eclipse のUI については、わかる範囲で日本語の後ろに括弧で元の英文を入れてください。
    ( 日本語版の Eclipse を持っていない翻訳者 / レビューア は、用語集を調べたり、ML で質問してください ) ただし、Eclipse 用 ADT プラグインの UI は日本語化されていないので ( 2010年8月現在 )、英語のまま訳しません。

Benten ( 翻訳支援ツール ) の警告について

Benten で翻訳作業中に、Eclipse の問題ビューに「翻訳問題」として警告が出ることがあります。
一般的な翻訳 ( スタイル ) 上の問題について、表示されます。
以下の二つの問題以外は、メッセージに従って対応してください。

「ソースに含まれる「directory」はターゲットでは「(?i?(ディレクトリー|Directory Interface|Apache Directory」である必要があります。」
「改行文字 (\n) の数が一致しません。ソース: 1 個、ターゲット: 0 個。」

このほかにも、翻訳中 / レビュー中に迷ったときには、お気軽にメーリングリストにお問い合わせください。