Linuxカーネルに関する技術情報を集めていくプロジェクトです。現在、Linuxカーネル2.6解読室の第2章までを公開中。
iノード域の確保は、伝統的UNIXと同じigetという関数で実現されている。igetは指定されたiノード番号に対応するiノード域を確保し返却する。iノード域の初期化は各ファイルシステムが行う。
iget(iノード番号) if(上記iノードキャッシュ内に目的のiノードが見つかった) return 見つかったiノード iノード番号に対応するメモリiノードを作成する(get_new_inode関数) return 新規に作成したiノード
キャッシュ内に目的のiノードが見つからなかった場合、以下のget_new_inode関数により、空のiノード域を確保し初期化を行う。
get_new_inode(iノード番号) if (フリーリストinode_unsedに空iノード域がある) { フリーリストからiノード域を一つはずす。 iノードの参照数を一つ増やす iノード域をinode_in_useリストに繋ぐ iノード域をキャッシュに登録 iノード域を0クリア ディスクinode域の読み込み(read_inode関数) return 確保したiノード域 } inode域を拡張する(grow_inodes関数) if(上記作業中に、別の人が目的のiノードを用意した) { 今確保したiノード域をフリーリストinode_unusedに登録 return 別の人が用意したiノード } iノード域をinode_in_useリストに繋ぐ iノード域をキャッシュに登録 iノード域を0クリア ディスクinode域の読み込み(read_inode関数) return 拡張したiノード域
iノード域が不足した場合grow_inodes関数で、空きiノード域をつくり出す。iノード数の上限値に達するまではどんどんメモリを確保し、それをiノード域に分割しinode_unusedに登録する。
iノード数の上限値に達した後は、利用頻度の低そうなiノード域を見つけ出し、フリーリストに戻す処理が動く。もし、フリーリストに戻すことの可能なiノード域が無かった場合は、iノード域数のマックス値を越えてでもメモリを確保し iノード域の拡張を実行する。
grow_inodes() if (iノード域数が、マックス値を越えた) 利用頻度の低そうなinode域をフリーリストinode_unusedに戻す (try_to_free_inodes関数) } メモリ域を確保( __get_free_page) iノード域に分割し、フリーリストinode_unusedに登録
これからファイルを新規作成する場合は、そのファイル用のメモリiノード獲得にiget関数は利用できない。初期化されていない空のメモリiノード獲得には次の get_empty_inode関数を利用する。
get_empty_inode() if (フリーリストinode_unsedに空iノードがある) { フリーリストからiノードを一つはずす。 inode_in_useリストに繋ぐ inodeを0クリア return 確保したiノード } inode = grow_inodes(); //無理矢理inode域を用意する inode初期化 return inode;
(NIS)HirokazuTakahashi
2000年06月11日 (日) 22時29分57秒 JST1
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LastUpdate: 2008-08-27 14:46:42, ModifiedBy: hiromichi-m
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