メモリiノードの確保

iノード域の確保は、伝統的UNIXと同じigetという関数で実現されている。igetは指定されたiノード番号に対応するiノード域を確保し返却する。iノード域の初期化は各ファイルシステムが行う。

   iget(iノード番号)
        if(上記iノードキャッシュ内に目的のiノードが見つかった)
              return 見つかったiノード
        iノード番号に対応するメモリiノードを作成する(get_new_inode関数)
        return 新規に作成したiノード

キャッシュ内に目的のiノードが見つからなかった場合、以下のget_new_inode関数により、空のiノード域を確保し初期化を行う。

   get_new_inode(iノード番号)
        if (フリーリストinode_unsedに空iノード域がある) {
              フリーリストからiノード域を一つはずす。
              iノードの参照数を一つ増やす
              iノード域をinode_in_useリストに繋ぐ
              iノード域をキャッシュに登録
              iノード域を0クリア
              ディスクinode域の読み込み(read_inode関数)
              return 確保したiノード域
        }
        inode域を拡張する(grow_inodes関数)
        if(上記作業中に、別の人が目的のiノードを用意した) {
              今確保したiノード域をフリーリストinode_unusedに登録
              return 別の人が用意したiノード
        }
        iノード域をinode_in_useリストに繋ぐ
        iノード域をキャッシュに登録
        iノード域を0クリア
        ディスクinode域の読み込み(read_inode関数)
        return 拡張したiノード域

iノード域が不足した場合grow_inodes関数で、空きiノード域をつくり出す。iノード数の上限値に達するまではどんどんメモリを確保し、それをiノード域に分割しinode_unusedに登録する。

iノード数の上限値に達した後は、利用頻度の低そうなiノード域を見つけ出し、フリーリストに戻す処理が動く。もし、フリーリストに戻すことの可能なiノード域が無かった場合は、iノード域数のマックス値を越えてでもメモリを確保し iノード域の拡張を実行する。

   grow_inodes()
        if (iノード域数が、マックス値を越えた)
             利用頻度の低そうなinode域をフリーリストinode_unusedに戻す
               (try_to_free_inodes関数)
        }
        メモリ域を確保( __get_free_page)
        iノード域に分割し、フリーリストinode_unusedに登録

これからファイルを新規作成する場合は、そのファイル用のメモリiノード獲得にiget関数は利用できない。初期化されていない空のメモリiノード獲得には次の get_empty_inode関数を利用する。

  get_empty_inode()
        if (フリーリストinode_unsedに空iノードがある) {
              フリーリストからiノードを一つはずす。
              inode_in_useリストに繋ぐ
              inodeを0クリア
              return 確保したiノード
        }
        inode = grow_inodes(); //無理矢理inode域を用意する
        inode初期化
        return inode;

(NIS)HirokazuTakahashi
2000年06月11日 (日) 22時29分57秒 JST
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