デル(Dell)のPowerEdge製品には、リモート管理のハードウェアとして、DRAC(Dell Remote Access Controller)というオプションがあります。主な機能は以下のとおりです。
仮想メディアの機能によって、リモートにあるCD/DVD、FDが本体に直結しているような感覚で利用できるので、リモートからのOSインストールも可能になります。DRACを装備していれば、設置や結線、ハードウェア故障などない限り、サーバーを直接操作する必要はなくなります。 DRACは、本体と独立した制御機構になっており、接続も独自のEthernetコネクタによるIP接続になります。
現行製品としては、DRAC5とDRAC4の2種類があります。DRAC5のほうがやや高機能ですが、上に挙げたような特徴はDRAC4でも利用できます。
基本的にDRAC4が8世代機(PowerEdge x8xx)のオプション、DRAC5が9世代機(PowerEdge x9xx)のオプションになります。なお、10世代機のエントリモデルであるR200は、DRACおよびBMCが8世代機と同じ仕様になっています。R200は最新CPU・チップセット、ストレージコントローラが利用できる、8世代機とイメージしておいたほうが無難かもしれません。
運用上の大きな違いは本体のビデオ出力です。DRAC4を搭載した場合、本体のビデオ出力はDRAC4のコネクタからのみとなります。
搭載されているものがDRAC4か5かは、BIOSの画面などから判断できます。また、DRAC5が専用バス接続で独特の基盤を使っているため、筐体をあけて見ることでも判断できます。コネクタはDRAC4がEthernetとVGA(D-Sub25ピン)、DRAC5がEthernetのみです。
汎用基盤のためか利用されていないPCI接続のコネクタがむき出しになっており、これが特徴ともいえる。逆側には専用バスのコネクタが2つ付いていて、専用バス側が本体と接続されている
一般のPCIカードのような形態。ライザー型(基盤だけで、マザーボードとピンで直結するDRAC4/Iもある
DRACを搭載していれば、WebブラウザからリモートKVMのようなBIOS操作、コンソール操作、グラフィカル画面での操作などが可能となりますが、クライアントOSによって使えるブラウザが異なる点に注意が必要です。
Windows上のFirefoxには対応していません。また、Linux上のFirefoxを利用する場合、プラグインの導入でroot権限が必要な点に注意が必要です。