実行ファイルを実行する

実行ファイルとは、ここではバイナリ形式で実行可能なファイルのことを指している。

  1. スタックファイルを定義する
    <?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
    <!DOCTYPE stack PUBLIC
      "-//OpenStandia/Installer//DTD Stack Configuration 1.0//EN"
      "http://openstandia.sourceforge.jp/dtd/stack_1_0.dtd">
    
    <stack>
      <application>
        <name>サンプルスタック</name>
        <ver>1.0.0.0</ver>
        <description>スタックのサンプルです。</description>
        <properties>
          <products-dir>products/samples</products-dir>
        </properties>
      </application>
      <install-befores/>
      <products>
        <product no="3" name="実行ファイルを実行する" def="${stack.application.properties.products-dir}/kick-exe-1.0.0/win.xml"/>
        <product no="4" name="実行ファイルを実行する" def="${stack.application.properties.products-dir}/kick-exe-1.0.0/linux.xml"/>
      </products>
      <install-afters/>
    </stack>
    
    これは、「実行ファイルを実行する」というプロダクトが、
    「products/samples/kick-exe-1.0.0/win.xml」 もしくは、 「products/samples/kick-exe-1.0.0/linux.xml」
    に定義されているという意味です。
    ここで、「products/samples/kick-exe-1.0.0/win.xml」 と 「products/samples/kick-exe-1.0.0/linux.xml」の違いは、
    前者が、Windows用の定義であり、後者がLinux用の定義となっています。
    • ${xxx}は、内部でxmlの要素、もしくは属性を順番に辿ったものに置換されて処理されます。
    • products-dir要素に定義されているディレクトリへのパスは以下のようになります。
      1. CUIの場合は、バッチ(setup.bat)、シェル(setup.sh)を実行したディレクトリからの相対パス
      2. GUIの場合は、読み込んだstack.xmlが存在するディレクトリからの相対パス
        ただし、基本的にはstack.xmlとバッチ(setup.bat)、シェル(setup.sh)は同ディレクトリに存在するので
        stack.xmlからの相対パスと思ってよいと思います。

  2. プロダクトファイル(Windows/Linux)を定義する
    1. Windowsの場合
      <?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
      <!DOCTYPE product PUBLIC
        "-//OpenStandia/Installer//DTD Product Configuration 1.0//EN"
        "http://openstandia.sourceforge.jp/dtd/product_1_0.dtd">
      
      <product os="windows">
        <name>Kick Execute File</name>
        <ver>1.0.0</ver>
        <required>false</required>
        <localDir>products\samples\kick-exe-${product.ver}</localDir>
        <description>実行ファイルを実行します。</description>
        <properties/>
        <files/>
        <execs>
          <install>
            <exec cmd="calc.exe"/>
          </install>
          <uninstall>
            <exec cmd="calc.exe"/>
          </uninstall>
          <update>
            <exec cmd="calc.exe"/>
          </update>
        </execs>
      </product>
      
    2. Linuxの場合
      <?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
      <!DOCTYPE product PUBLIC
        "-//OpenStandia/Installer//DTD Product Configuration 1.0//EN"
        "http://openstandia.sourceforge.jp/dtd/product_1_0.dtd">
      
      <product os="linux">
        <name>Kick Execute File</name>
        <ver>1.0.0</ver>
        <required>false</required>
        <localDir>products/samples/kick-exe-${product.ver}</localDir>
        <description>実行ファイルを実行します。</description>
        <properties/>
        <files/>
        <execs>
          <install>
            <exec cmd="xclock"/>
          </install>
          <uninstall>
            <exec cmd="xclock"/>
          </uninstall>
          <update>
            <exec cmd="xclock"/>
          </update>
        </execs>
      </product>
      
      これは、「実行ファイルを実行する」というプロダクトが、
      Windowsでは「calc.exe」(電卓)を、Linuxでは「xclock」(時計)を実行(起動)するという意味です。
    • インストール、アンインストール、アップデート総てにおいて同処理としてます。
    • localDir要素に定義されているディレクトリへのパスは以下のようになります。
      1. CUIの場合は、起動バッチ(setup.bat)、起動シェル(setup.sh)を実行したディレクトリからの相対パス
      2. GUIの場合は、読み込んだスタックファイルが存在するディレクトリからの相対パス
        ただし、基本的にはスタックファイルとバッチ(setup.bat)、シェル(setup.sh)は同ディレクトリに存在するので
        スタックファイルからの相対パスと思ってよいと思います。
    • exec要素のパスは以下のようになります。
      localDir要素で定義されたディレクトリからの相対パス

  3. 各ディレクトリ、各ファイルを以下のように配置する
    OpenStandiaIntaller
     |--bin
     |--create
     |--lib
     |--products
     |  |--samples
     |     |--kick-exe-1.0.0
     |        |--linux.xml
     |        |--win.xml
     |--scripts
     |--stack-sample.xml
    GUIの場合は、以上で終了です。
    OpenStandia/GUI Installerより上記で作成したスタックファイルを読み込ませることで実行できるはずです。
    CUIの場合は、引き続き以下を行ってください。

  4. 起動バッチ(setup.bat)、起動シェル(setup.sh)の作成(編集)
    1. Windowsの場合
      1. OpenStandia/Installerに付属の起動バッチ(setup.bat)をメモ帳等で開いてください。
      2. 【初期設定】項目に使用するスタックファイルを定義する(l.4付近)

        REM ##### 初期設定 #####
        set OPENSTANDIA_INSTALLER_VER=sample
        set STACK_XML=stack-%OPENSTANDIA_INSTALLER_VER%.xml

        • ここでは、「stack-sample.xml」となるように定義しています。
      3. 【初期設定】項目にプロダクトの番号を定義する(l.4付近)

        REM ##### 初期設定 #####
        set OPENSTANDIA_INSTALLER_VER=sample
        set STACK_XML=stack-%OPENSTANDIA_INSTALLER_VER%.xml
        set ANT_DIR=apache-ant-1.7.0
        set SCRIPTS_DIR=scripts
        set KICK_EXE_NO=3

        • スタックファイルに記述した該当プロダクトの番号(stack.products.product.no)の値である必要があります。
      4. 【問い合わせ】項目を記述する(l.79付近)

        REM ##### 問い合わせ #####
        cls
        REM kick-exe
        set KICK_EXE=y
        set /p KICK_EXE=実行ファイルを実行するサンプルを実行しますか?(y/n) [y]

      5. 【ダウンロード実行】項目を記述する(l.124付近)

        REM ##### ダウンロード実行 #####
        echo.
        echo ダウンロード処理を開始します...
        if "%KICK_EXE%" == "y" (
          call ant -Dno=%KICK_EXE_NO% -DstackXml=%STACK_XML% -f "%SCRIPTS_DIR%download.xml"
          if errorlevel 1 goto error
        )

        • 「"%KICK_EXE%" == "y"」の部分の「%KICK_EXE%」は、
          【問い合わせ】項目で記述した変数名と合わせてください。
        • 「-Dno=%KICK_EXE_NO%」の部分の「%KICK_EXE_NO%」は、
          【初期設定】項目で記述した変数名と合わせてください。
      6. 【インストール実行】項目を記述する(l.124付近)

        REM ##### インストール実行 #####
        set INSTALLED_NO=
        echo.
        echo %MODE_STR%処理を開始します...
        if "%KICK_EXE%" == "y" (
          set INSTALLED_NO=%INSTALLED_NO%,%KICK_EXE_NO%
          call ant -Dno=%KICK_EXE_NO% -Dmode=%MODE% -DinstalledNo="%INSTALLED_NO%" -DstackXml=%STACK_XML% -f "%SCRIPTS_DIR%install.xml"
          if errorlevel 1 goto error
        )

        • 「"%KICK_EXE%" == "y"」の部分の「%KICK_EXE%」は、
          【問い合わせ】項目で記述した変数名と合わせてください。
        • 「set INSTALLED_NO=%INSTALLED_NO%,%KICK_EXE_NO%」及び「-Dno=%KICK_EXE_NO%」の部分の「%KICK_EXE_NO%」は、
          【初期設定】項目で記述した変数名と合わせてください。
    2. Linuxの場合
      1. OpenStandia/Installerに付属の起動シェル(setup.sh)をUTF-8で編集できるエディター等で開いてください。
      2. 【初期設定】項目に使用するスタックファイルを定義する(l.5付近)

        ##### 初期設定 #####
        OS_LANG=UTF-8
        OPENSTANDIA_INSTALLER_VER=sample
        STACK_XML=stack-${OPENSTANDIA_INSTALLER_VER}.xml

        • ここでは、「stack-sample.xml」となるように定義しています。
      3. 【初期設定】項目にプロダクトの番号を定義する(l.5付近)

        ##### 初期設定 #####
        OS_LANG=UTF-8
        OPENSTANDIA_INSTALLER_VER=sample
        STACK_XML=stack-${OPENSTANDIA_INSTALLER_VER}.xml
        ANT_DIR=apache-ant-1.7.0
        SCRIPTS_DIR=scripts
        KICK_EXE_NO=4

        • スタックファイルに記述した該当プロダクトの番号(stack.products.product.no)の値である必要があります。
      4. 【問い合わせ】項目を記述する(l.85付近)

        ##### 問い合わせ #####
        clear
        # kick-exe
        read -p "実行ファイルを実行するサンプルを実行しますか?(y/n) [y]" KICK_EXE
        if [ "${KICK_EXE}" = "" ]; then
          KICK_EXE=y
        fi

      5. 【ダウンロード実行】項目を記述する(l.146付近)

        ##### ダウンロード実行 #####
        echo
        echo ダウンロード処理を開始します...
        if [ "${KICK_EXE}" = "y" ]; then
          ant -Dno=${KICK_EXE_NO} -DstackXml=${STACK_XML} -f "${SCRIPTS_DIR}download.xml"
          if [ $? -ne 0 ]; then error_func; fi
        fi

        • 「"${KICK_EXE}" = "y"」の部分の「${KICK_EXE}」は、
          【問い合わせ】項目で記述した変数名と合わせてください。
        • 「-Dno=${KICK_EXE_NO}」の部分の「${KICK_EXE_NO}」は、
          【初期設定】項目で記述した変数名と合わせてください。
      6. 【インストール実行】項目を記述する(l.183付近)

        ##### インストール実行 #####
        INSTALLED_NO=
        echo
        echo ${MODE_STR}処理を開始します...
        if [ "${KICK_EXE}" = "y" ]; then
          INSTALLED_NO=${INSTALLED_NO},${KICK_EXE_NO}
          ant -Dno=${KICK_EXE_NO} -Dmode=${MODE} -DinstalledNo="${INSTALLED_NO}" -DstackXml=${STACK_XML} -f "${SCRIPTS_DIR}install.xml"
          if [ $? -ne 0 ]; then error_func; fi
        fi

        • 「"${KICK_EXE}" = "y"」の部分の「${KICK_EXE}」は、
          【問い合わせ】項目で記述した変数名と合わせてください。
        • 「INSTALLED_NO=${INSTALLED_NO},${KICK_EXE_NO}」及び「-Dno=${KICK_EXE_NO}」の部分の「${KICK_EXE_NO}」は、
          【初期設定】項目で記述した変数名と合わせてください。

以上でCUIの場合も終了です。
各起動バッチ、シェルを実行することで実行できるはずです。