7.3. オブジェクトナビゲーション

フォーカスを動かさずにざっとオペレーティングシステムを見回したい場合、NVDAのオブジェクトナビゲーションが使えます。これにより、ツリー状構造でオブジェクト間を移動することができます。 オブジェクトのツリー構造は、デスクトップウィンドウ(ツリーのルート)で始まります。ツリーの最初の分岐は、現在実行中のアプリケーションであり、もちろん、これらのアプリケーションには、自身の様々な部分を表している分岐(オブジェクト)があります。 ツリー構造は大きくなることがありますが、論理的な順序で移動できますので、必要な情報をすばやく見つけられます。 この構造は、オブジェクトが画面上でどう配置されているかではなく、論理的にどう関連しているかを示しています。 これに慣れるには少々時間がかかるかも知れませんが、一旦把握すれば非常に簡単に移動できるようになります。 NVDAは現在、ビデオインタセプトドライバーや表示フックがないため、スクリーンベースのレイアウトでオブジェクト間を移動できません。 NVDAはスクリーンと対話しません。平坦なスクリーンレイアウトを描画しようとする事よりも、アプリケーションとオペレーティングシステムを非常に明確かつ論理的に認識させる事が重要だからです。 全てのアプリケーションが完全なツリー構造であるわけではありませんが、これは特定のアプリケーションの開発者次第です。 大部分はOKのようです。確かに、大部分のダイアログボックスと高度に構造化されたアプリケーションが、それを正しくしたようです。 オブジェクトの操作には、以下のキーを使います:

  • NVDA+テンキー5: 現在のオブジェクトを通知する
  • NVDA+テンキー8: 親オブジェクトに移動する (ツリー構造のルートに向かって移動していく)
  • NVDA+テンキー4: 前のオブジェクトに移動する (オブジェクトディレクトリ同階層の前のもの)
  • NVDA+テンキー6: 次のオブジェクトに移動する (オブジェクトディレクトリ同階層の後のもの)
  • NVDA+テンキー2: 最初の子オブジェクトに移動する (これから出てくる最初の分岐)
  • NVDA+shift+テンキー4: 前のオブジェクトに移動する in flow (crosses parent child object boundaries automatically until it can go previous)
  • NVDA+shift+テンキー6: 次のオブジェクトに移動する in flow (crosses parent child object boundaries automatically until it can go next)
  • NVDA+テンキー(-): フォーカスを移動する
  • NVDA+テンキーEnter: 現在のオブジェクトを起動する (例: enterキー押下、クリック、ダブルクリック)
  • NVDA+テンキー(/): 現在のオブジェクトにマウスを移動する
  • NVDA+テンキー(*): ナビゲーターオブジェクトをマウス位置へ移動する
  • NVDA+shift+テンキー(.): スクリーン上での現在のオブジェクトの寸法を通知する
  • NVDA+テンキー(+): 全てのオブジェクトを通知する (現在のオブジェクトから読み始め、流れに沿って次々と移動する)

注意: テンキー使用前にnumlockキーをオフにしておく必要があります。

フォーカスを動かすともに、操作オブジェクトは変わります。しかし、特定のオブジェクトに操作をロックしたい場合は、フォーカスが変わらないように、NVDA+7キーでオブジェクト操作をオフにすることができます。