Documents (NVDA 2013.2jp ドキュメント点訳版) | 2013-11-07 22:38 |
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この文書「NVDA 2010.1 ユーザーガイド」は、NVDA 2010.1User Guideの日本語訳です。 この日本語訳は有志による参考訳であり、正式な文書ではないことにご注意ください。また、翻訳において生じた誤りが含まれる可能性があります。
最終更新日: 2010年2月5日
合成音声によるフィードバックによって、Nonvisual Desktop Access(NVDA)は全盲者をはじめとした視覚障害者がWindowsオペレーティングシステムや、さまざまなサードパーティー性のアプリケーションを利用することを可能にします。 主なハイライトは以下のとおりです。
世界中の誰もが、どんな言語を話しているかに関わらず、等しくテクノロジーにアクセスできるということが重要です。NVDAは現在、以下の言語を含む20ヶ国語以上の言語に翻訳されています。
メッセージやインターフェースを複数の言語で提供できるだけでなく、もし利用者が使用したい言語に対応した音声エンジンを持っていれば、NVDAではどんな言語のコンテンツも読ませることができます。 NVDAは、無料でオープンソースの多言語対応音声合成ソフトウェアであるeSpeakをバンドルしています。 加えてNVDAでは音声読み上げを行うためにSAPI4とSAPI5の両方の音声エンジンが利用できるほか、Audiologic speech synthesizerも利用できます。
点字ディスプレイを所有している利用者に対して、NVDAは情報を点字で出力することができます。
NVDAはFreedom Scientific社製のPacmateとFocus点字ディスプレイをサポートしているほか、Handy Tech社製のディスプレイ、ALVA BC640/680ディスプレイ、BRLTTYパッケージでサポートされている多くの点字ディスプレイに対応しています。
NVDAでは、多くの点字コードとさまざまな言語をサポートしています。多くの場合、1級と2級のコードが利用可能です。英語では、アメリカ英語点字とUnified English braille (UEB)の両方が含まれています。
NVDA is copyright 2006-2009 NVDA contributors.
NVDAはGNU 一般公衆利用許諾契約書 (Version 2) によって保護されています。この内容に同意いただき、必要としている方にソースコードを提供していただける場合、本ソフトウェアの配布や改良は自由に行うことができます。この規定は、オリジナルのソフトウェアと改良販を含むソフトウェアのコピー、さらにこのソフトウェアのコードを利用したソフトウェアにも適用されます。本ライセンスについての詳細は、オンラインで確認してください。
もしまだNVDAをお持ちでなければ、NVDAのウェブサイト: http://www.nvda-project.org/にアクセスし、ダウンロードセクションから最新版のNVDAのダウンロードリンクをみつけることができます。 日本語版に関しては、http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/のダウンロードページに最新のパッケージがあります。
現在NVDAには2種類のパッケージが用意されています。ひとつはインストーラー版で、NVDAインストール中の画面の内容を読み上げることができ、スタートメニューなどから起動していつでも利用することができます。もうひとつはNVDAポータブル版を含んでいる自己解凍書庫で、USBメモリーやCDなど、どこからでもNVDAを実行できます。
すでにNVDAインストーラーをお持ちなら、Enterキーやダブルクリックでファイルを開くと、インストーラーが起動します。インストーラーが起動すると、NVDAインストーラーの起動音が聞こえます。インストーラー起動後には仮のNVDAが起動し、インストール中にでてくるプロンプトの読み上げを行うことができます。 注意: インストーラー起動時にすでに別のNVDAを実行していた場合、動作中のNVDAを終了させる旨のメッセージが表示されます。このときEnterキーを押すと、古いNVDAは終了され、インストーラーに含まれているNVDAが起動されます。この作業は、インストーラーがNVDAを正しくアップデートするために必要です。 インストールが正常に終了すると、インストーラーはNVDAのインストールが終了したことを知らせます。もしNVDAを再インストールしている場合は、ここでシステムを再起動するかを尋ねられるかもしれません。予期しない影響があるかもしれませんので、必ず再起動してください。もし再起動を指示されなかった場合、完了をクリックするとインストーラーが終了し、新しくインストールされたNVDAが起動します。
NVDAポータブル版をお持ちなら、Enterキーを押すかダブルクリックでファイルを開き、指示に従ってください。システム上のどこにファイルを解凍したいかを尋ねられます。
インストーラーでNVDAをインストールしたなら、ショートカットキーcontrol+alt+nを押すか、スタートメニュー「プログラム」にあるNVDAメニューから「NVDA」を選べば起動できます。また、ファイル名を指定して実行のダイアログに、NVDAと入力してEnterキーを押すことでも実行できます。
ポータブルファイル版で起動するには、NVDAを解凍したディレクトリで、nvda.exeファイル上でenterキーを押すか、ダブルクリックして下さい。 NVDAを起動すると、最初に上り調子の音が聞こえます(起動中であることを伝えています)。コンピュータの性能や、USBメモリ等のポータブルメディアからNVDAを起動させているかどうかによって、起動に多少時間がかかるかも知れません。長い時間がかかると、「お待ちください…サブシステムを読み込んでいます。」という音声が聞こえます。 何も聞こえないか、Windowsエラー音または下り調子の音が聞こえた場合、NVDAのエラーを意味します。エラーをNVDA開発者に報告して頂けると助かります。その方法についてはNVDAのWebサイトをチェックしてください。 NVDAを初めて起動すると、NVDA制御キーとNVDAメニューに関する、いくつかの基本情報を提示するダイアログボックスで迎えられます(これについては先のセクションを参照して下さい)。ダイアログボックス内には3つのチェックボックスがあり、1つめは「キャップスロックキーをNVDAの制御キーとして使用する」というもの、2つめは「無変換キーをNVDAの制御キーとして使用する」というもの、3つめは「NVDA起動時にこのダイアログを表示する」というものです。
ほとんどのNVDA用キーボードコマンドは、NVDA制御キーと他のキーを組み合わせて押すことで構成されています。例外は、単独でテンキーのみを使うテキストレビューコマンドです。 デフォルトでは、テンキーのInsertキーと拡張Insertキーが、NVDA制御キーとして使われます。しかし、キャップスロックキーや無変換キーもNVDA制御キーになるように設定することもできます。そのように設定した時は、キャップスロックキーや無変換キーを押すとNVDA制御キーとして動作します。ただし、素早く2回押すと、通常のキャップスロックキーや無変換キーとして動作してしまいます。 多くのキーコマンドがこのユーザガイドの残りを通じて言及されますが、すべてのキーコマンドを調べる簡単な方法は、キーボードヘルプをオンにすることです。 キーボードヘルプをオンにするために、NVDA+1キーを押してください。オフにするには、もう一度NVDA+1キーを押してください。キーボードヘルプモードの間は、何かキーを押すと、それがどう機能するかについて案内します(機能が割り当てられていれば)。その間は、どのキーも実際には機能しませんので、お好きなようにキーを押してください。
NVDAメニューでは、NVDAの設定変更、ヘルプへのアクセス、設定情報の保存/読み込み、読み上げ辞書の編集、ログファイルの閲覧、NVDAの終了ができます。
NVDA実行中に、Windowsの任意の場所からNVDAメニューを開くには、NVDA+nを押します。メニューが開いたら、カーソルキーを使ってメニュー項目間を移動し、Enterキーで項目を開くことができます。設定メニューでは、NVDAの構成をお好みに合わせて変更できますし、ツールメニューには、NVDA log閲覧や、開発者向けのPythonコンソールといったいくつかの便利なツールがあります。 またヘルプメニューからは、ユーザーガイドやクイックキーリファレンスなどの情報にアクセスできます。NVDAメニューにはまた、現在の設定情報を保存したり、保存されている設定を読み込んだりするための項目、NVDAを終了させる項目が含まれています。 NVDAメニューには、Windowsのシステムと例上にあるNVDAアイコンからもアクセスできます。アイコンをマウスで右クリックする方法と、Windowsキー+bを押してシステムトレイに移動し、カーソルキーでNVDAアイコンを選択してほとんどのキーボードに搭載されているアプリケーションキーを押す方法のどちらも利用できます。 後述の設定情報の保存や保存された設定状態に戻すコマンドや、設定メニューの個別の項目には、キーボードショートカットを使ってアクセスすることもできます。ショートカットの一覧の詳細については、クイックリファレンスガイドを参照してください。
一般設定ダイアログは、設定メニューの中にあります。このダイアログには、NVDA+コントロール+Gキーを押すことでもアクセスできます。設定の変更後にオプションを保存したいときは、OKボタンを押します。キャンセルしたいときは、キャンセルボタンを押すかエスケープキーを押します。このダイアログには以下のオプションが含まれています:
NVDAのユーザーインターフェースやメッセージを、どの言語で表示するかを選択できるコンボボックスです。多くの言語が選択できますが、デフォルトのオプションは”ユーザーデフォルト、Windows”となっています。このオプションは、NVDAに現在のWindowsの設定言語を使用するように指示するものです。言語設定を変更したら、NVDAを再起動しなければならないことに注意してください。NVDAは、もしあなたが言語設定を変更した場合、NVDAを再起動するかどうかを尋ねます。OKボタンを押すとNVDAが再起動します。
このオプションはチェックボックスで、チェックされている場合はNVDA終了時に現在の設定情報を自動的に保存するように指示します。
このオプションはチェックボックスで、NVDA終了前にNVDAを終了するかどうかの確認のダイアログを表示させるかどうかを選択するものです。 チェックされているときは、NVDAを終了しようとするときに、NVDAを終了するかの確認ダイアログが表示されます。
これはコンボボックスで、NVDAがどの程度の実行記録をとるかを設定します。 一般的には、冗長な記録を行わないために、利用者はこの設定を変更すべきではありません。 しかしながら、バグ報告のために情報を提供したい場合は、これは有効なオプションです。
もしもこのオプションが有効なら、NVDAはWindowsへのログオン後すぐに、自動的に開始されます。
もしユーザー名とパスワードを指定してWindowsにログオンしている場合、このオプションを有効にすることでNVDAをWindows起動時のログオン画面で自動的に開始できます。
設定メニューの中の"出力先"またはNVDA+Control+Sで表示される出力先ダイアログでは、NVDAがどの出力先を使って情報を出力するかを選択できます。 ダイアログには簡単なコンボボックスがあり、利用可能なすべての出力先がリストになっています。使用したい出力先をカーソルキーで選び、OKを押してください。もしも出力先の読み込みに失敗した場合は、エラーメッセージが表示され、NVDAは今まで使用していた出力先を使用し続けます。 現在NVDAがサポートしている出力先は: eSpeak、SAPI4、SAPI5、Audiologic及びSilenceです。
音声エンジンeSpeakは直接NVDAに組み込まれているので、他の特別なドライバーやSAPI実行環境をインストールする必要がありません。NVDAは初期状態ではeSpeakを使用して起動します(eSpeakは日本語非対応であるため、日本語版NVDAは音声エンジン無しの状態で起動します)。eSpeakはNVDAが実行可能なあらゆるシステムで利用可能なことから、誰のシステムであっても、NVDAをUSBメモリーやCDから実行できます。
Sapi4オプションでは、SAPI対応の音声エンジンを利用できます。SAPI4対応の音声エンジンはeloquenceを含む、あなたがインストールした他の音声エンジンが利用できます。
Sapi5シンセサイザーでは、コンピュータに含まれているMicrosoft社製の音声を使用することができます。XPでは、デフォルトのSAPI5の音声はMicrosoft Samです。また、Vistaでは、デフォルトのSAPI5音声は Microsoft Annaです。その他にインストールされているSAPI5の音声があれば表示されます。
Displayシンセサイザーは、目の見える開発者が彼らのアプリケーションをNVDAを使ってテストする際、NVDAが何を読み上げているかを確認するときに便利です。
Silenceシンセサイザードライバーは、NVDA実行中に何も読み上げてほしくない場合を除いては便利ではありません。
多くのSAPI4またはSAPI5対応の音声(エンジン)をシステムにインストールしていたとしても、実在するSAPI4とSAPI5のシンセサイザーだけが出力先ダイアログに表示されます。実際にエンジン(音声)を選択するには、まずSAPI4またはSAPI5のどちらかを選択した後、音声設定ダイアログ内で使用したい音声を選択します。
設定メニューの中やNVDA+CTRL+Vを押してアクセスできる音声設定ダイアログでは、読み上げ音に関するオプションが変更できます。 また、多くのオプションは、どこからでもNVDA+CTRLと矢印キーの一つを押すことで調整できます。 左右の矢印キーは複数の設定項目の間を移動し、上下の矢印キーで特定の設定項目の値を増加したり加減したりできます。 音声設定ダイアログには、以下のオプションが含まれています:
このダイアログの最初のオプションは、インストールされている出力先で利用可能な音声の一覧のコンボボックスです。矢印キーを使ってすべての音声の種類を聞くことができます。左と上矢印は、リスト項目を上に移動し、右と下矢印は、リスト項目を下に移動します。
もしNVDAに同梱されているeSpeakシンセサイザーをお使いなら、このコンボボックスではシンセサイザーの読み上げの変量を選択できます。 eSpeakの変量は声質と似ていますが、eSpeakの音質とは違った属性の変化を提供します。変量のいくつかは男性のような音だったり、他のいくつかは女性に似ていたり、蛙に似ている音もあります。
このオプションでは音声の速さを変更します。これは0から100の間を移動するスライダーです(0はもっとも遅く、100はもっとも早い)。
このオプションでは、現在の音声の高さを変更できます。これは、0から100の間を移動するスライダーです(0は最も低く、100がもっとも高い)。
このオプションは0から100の間を移動するスライダーです(0がもっとも低い音量で、100がもっとも高い)。
このオプションはスライダーで、シンセサイザーでどれだけの抑揚をつつけて話すかを選択できます。 (現在このオプションに対応しているのはeSpeakだけです)。
この設定はチェックボックスで、チェックされているときはNVDAにすべての記号を単語として読むように指示します(校正に便利です)。チェックされていない場合、NVDAは記号を変更しませんので、シンセサイザーは正しい抑揚で分を読むことができますが、記号は読まれません。
このチェックボックスがチェックされていると、大文字のピッチを上げて読みます。
この設定はチェックボックスで、チェックされている場合はNVDAに大文字の前に"キャップ"と読むように指示します。カーソルが移動したときや入力されたときにも機能します。 通常、NVDAはすべての大文字に対して音声のピッチを上げますが、一部のシンセサイザーではそれが十分機能しないので、このオプションは有効かもしれません。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAは大文字で書かれた文字を検出するたびに小さなビープ音を鳴らします。 大文字の前にキャップと読むチェックボックスのように、この設定も、大文字に対して音声の高さを変更できないシンセサイザーを使用している場合に有効です。
点字設定ダイアログは、設定メニューの中の点字設定オプションから開くことができます。
点字設定ダイアログの中で最初に遭遇するオプションは"点字ディスプレイ"というコンボボックスです。三つのオプションがあり、矢印キーを使ってオプションの間を移動できます。
このダイアログで次にくるオプションは、点字変換テーブルのコンボボックスです。このコンボボックスには、異なる言語の変換テーブルがあります。矢印キーを使って、変換テーブルの間を移動できます。
このオプションは、カーソル位置の単語を略字ではないコンピューター点字として表示します。
このオプションは数値フィールドで、カーソルの点滅速度をミリ秒単位で変更できます。
このオプションは数値フィールドで、システムメッセージを点字ディスプレイ上に何秒間表示するかを制御できます。
NVDA+Control+Tを押すと、点字ディスプレイに何を表示するかを選択できます。二つのオプションはフォーカスとレビューで、フォーカスは矢印キーやタブキーなどによってアクセスされるもの、つまりフォーカスナビゲーションです。レビューはスクリーン上に何があるかを確認する、例えばオブジェクトナビゲーションのようなものです。 Control+NVDA+Tを押すことによって、これら二つのオプションを切り替えられます。
このダイアログボックスは、設定メニューの下のキーボード設定にあります。代わりに、NVDA+Control+Kキーを押すことでもアクセスできます。このダイアログには次のオプションがあります:
このコンボボックスでは、NVDAでどのキーボードレイアウトを使用するかを選ぶことができます。現在、NVDAにあるのはデスクトップとラップトップレイアウトです。
このチェックボックスがチェックされている場合、capslockキーがNVDAキーとして動作します。
このチェックボックスがチェックされている場合、無変換キーがNVDAキーとして動作します。
このチェックボックスがチェックされている場合、インサートキー(通常は矢印キーの上のホームキーやエンドキーの側にあります)をNVDAキーとして使用することができます。
このチェックボックスがチェックされている場合、テンキー上のインサートキーをNVDAキーとして使用することができます。
このチェックボックスがチェックされているとき、入力されたすべての文字が読み上げられます。 またこのオプションは、いつでもNVDA+2を押すことで変更できます。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAは入力された単語をすべて読み上げます。 またこのオプションは、いつでもNVDA+3を押すことで変更できます。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAは入力された文字キー以外のキーの名称を読み上げます。この機能には、例えばControlキーと他のキーの組み合わせも含まれます。 またこのオプションは、いつでもNVDA+4を押すことで変更できます。
マウス設定ダイアログは、設定メニューの"マウス設定"の中にあります。代わりに、NVDA+Control+Mを押すことでもアクセスできます。この中には次のオプションが含まれています:
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAはマウスポインターの形状が変化するたびにそれを通知します。Windowsのマウスポインターは、例えば編集可能や読み込み中のように、その変化で情報を表すことがあります。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAはマウスを動かすたびに、マウスポインターの下のテキストを通知します。この機能では、スクリーン上にあるものを、オブジェクトナビゲーションからではなく、実際にマウスを動かしながら探すことができます。
もしNVDAがマウス位置のテキストを通知するように設定されていれば、このオプションではマウス移動時のテキストの読み上げ範囲を選択できます。オプションは、文字、単語、行、段落の中から選択できます。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAはマウスが重なったオブジェクトのロール(種類)を通知します。
このチェックボックスをチェックすると、NVDAはマウスの移動をビープ音で通知します。利用者は、マウスポインタが画面上のどこに位置しているかを知ることができます。
'マウス移動時ビープ音で通知'のチェックボックスがチェックされていて、このチェックボックスをチェックした場合、ビープ音のボリュームは、画面上でマウスポインタのある場所の明るさによって制御されます。この機能はWindows Vista上でパフォーマンス上の問題があるため、デフォルトではチェックされていません。
設定メニューの中の"オブジェクトの通知設定..."またはNVDA+Control+Oを押すことによってアクセスできるこのダイアログボックスには、以下のオプションが含まれています:
このチェックボックスがチェックされている場合、NVDAはツールチップが表示されたときにその内容を読み上げます。多くのWindowsのコントロールは、マウスポインターをそれらに重ねたり、それらにフォーカスしたりしたとき、簡単なメッセージ(またはツールチップ)を表示します。
このチェックボックスがチェックされている場合、NVDAはバルーン情報が表示されたときにその内容を通知します。バルーン情報はツールチップに似ていますが、サイズはやや大きく、ネットワークケーブルが接続されていないとか、Windowsのセキュリティ上の問題の通知といった、システムのイベントに関連付けられています。
このチェックボックスがチェックされている場合、NVDAはオブジェクトやコントロールなどを読み上げる際、関連付けられているショートカットキーを含んで読み上げます。例えば、メニューバーのファイルメニューには、Alt+Fというショートカットキーがある場合があります。
このオプションでは、オブジェクトにフォーカスしたり、オブジェクトナビゲーションで移動したときに、位置情報(例えば1の4のように)を通知するかを選択できます。
オブジェクトとともに読み上げられる説明が必要ない場合は、このチェックボックスのチェックを解除してください。
プログレスバーは、ルーラーに形が少しだけ似ているコントロールです。作業完了までに時間がかかる場合に、バーが強調表示されます。また、プログレスバーの状況はパーセント表示もされますので、進行状況を数値でも確認できます。プログレスバーは、webページの読み込み中、電子メールの確認中、またはサウンドファイルの処理中などの場面で表示されます。
このオプションでは、コンボボックスでNVDAがどのようにプログレスバーの更新状態を通知するかを制御できます。以下のオプションがあります:
このオプションがチェックされているとき、NVDAは物理的に前面に表示されていないウインドウであっても、プログレスバーの変化の状況を通知し続けます。もしプログレスバーのあるウインドウを最小化したり、離れたりしたとしても、NVDAはそのウインドウの追跡を続けるので、プログレスバーの進行中に他の作業をすることができます。
仮想バッファーの設定ダイアログは、設定メニューの中の"仮想バッファー..."から利用できます。代替として、NVDA+Control+Bを押すことでもアクセスできます。
ダイアログには次のオプションが含まれています:
このフィールドでは、仮想バッファーの1行の長さを(文字数で)指定します。
仮想バッファーに実際のページの概念はありませんが、このフィールドでは、仮想バッファー内でページアップやページダウンを押したときに移動する行数を指定します。
このオプションでは、仮想バッファー内のコンテンツが、リンクやその他のフィールドをそれぞれ独立した行として表示するか、画面に表示されているのと同じように、リンクなどをテキストどおりに表示するかを設定できます。もしオプションが有効であれば、画面に表示されているのと同じように表現されますし、もし無効な場合は、フィールドはそれぞれ個別の行として表現されます。
このオプションを無効にした場合、NVDAは表形式のデータを含むテーブル(表として認識されたもの)だけを通知するようになります。しかし、オプションを有効にした場合、NVDAは通常視覚的な表現のために用いられるようなテーブルも通知します。
以前のバージョンのNVDAでは、仮想バッファー設定ダイアログを使って、Webコンテンツを閲覧中に特定のフィールドに入ったときに、そのフィールド種別を読み上げるかどうかを設定できました。フィールド種別は例えば、リンク、見出し、テーブル及びリストです。これらの設定を変更するには、新設された書式設定ダイアログを参照してください。
現在、これらの設定は仮想バッファーのみに影響するわけではなく、これらの種別のフィールドを含むさまざまなドキュメントで通知されます。
このオプションは、フォーカスが変化した場合にフォーカスモードを呼び出すかどうかを設定します。例えば、オプションが有効でWebページにいるときに、Tabキーを押し、もしフォームがフォーカスされたら自動的にフォーカスモードが呼び出されます。
このオプションがチェックされている場合、NVDAは矢印キーの移動に応じてフォーカスモードに入ったり、フォーカスモードから出たりします。例えば、Webページの中で下矢印キーで進んでいる時、エディットボックスに到達したら、NVDAは自動的にフォーカスモードを有効にします。もし、上矢印キーを押してエディットボックスから出ると、NVDAはブラウズモードに戻ります。
このオプションが有効な場合、NVDAは音声による通知ではなく、特別な音によって、仮想バッファー内でフォーカスモードとブラウズモードが切り換えられたことを通知します。 If this option is enabled, NVDA will play special sounds when it switches between browse mode and focus mode in a virtual Buffer, rather than speaking the change.
このダイアログボックスは、設定メニューの中の、"書式設定..."にあります。代替として、NVDA+Control+Dを押すことでも呼び出すことができます。 このダイアログ内のすべてのチェックボックスは、Microsoft WordやWordpadドキュメントの中を矢印キーで移動するときに、どの書式の種別を自動的に読ませたいかを設定します。 例えば、フォント名の通知のチェックボックスをチェックしている場合、違うフォントを使用したテキストに移動するたびに、フォント名を通知します。 フォント名、フォントサイズ、フォント属性、書式、配置、テキストの書式、表、ページ番号、行番号、スペルエラー、リンク、見出し、リスト及び引用の通知設定が変更できます。
設定メニューの中の読み上げ辞書メニューには、NVDAが特定の単語やフレーズをどのように読み上げるかを設定できるダイアログがあります。 現在のところ、3種類の読み上げ辞書が用意されています。辞書の種類は:
すべての辞書のダイアログには、読み上げの過程で使用される読み方の一覧が含まれています。ダイアログにはまた、追加、編集及び削除ボタンがあります。
辞書に新しい読み方を追加するには、追加ボタンを押し、出てきたダイアログのフィールドに入力し、最後にOKを押してください。作成した読み方が、読み方の一覧に表示されます。実際に読み方を保存するために、追加や編集が終了したら、OKボタンを押して辞書ダイアログを終了してください。
NVDAの読み上げ辞書の読み方は、一つの文字列の読み方をほかのものに変更します。簡単な例として、NVDAが「鳥」と読み上げるべき単語を、毎回「蛙」と読ませることができます。簡単にこれを実現するには、読み方を追加するダイアログで、"鳥"という単語をパターンのフィールドに入力し、置き換えフィールドに"蛙"と入力します。また、説明フィールドに、「鳥を蛙に変更」といったような説明を入力することもできます。
NVDAの読み上げ辞書は、単純な単語の読み変えとは違い、より強力です。追加のダイアログには、読み方が大文字と小文字を区別するかどうかを示すチェックボックスがあります。NVDAは、デフォルトでは大文字小文字を区別しません。 もう一つのチェックボックスは、置き換えようとしているパターンが正規表現かどうかの状況を示します。正規表現では、特別な文字を含んだパターンが、文字列ににマッチしているか、または数値だけにマッチしているか、または文字だけにマッチしているかを調べることができます。 A regular expression is a pattern containing special symbols that allow you to match on more than one character at a time, or match on just numbers, or just letters, as a few examples. 正規表現について、このドキュメントでは詳しく説明していませんが、Web上にはより多くの情報を提供しているチュートリアルがあります。
NVDAは、設定情報をNVDAディレクトリ内のnvda.iniと呼ばれるファイルの中に保存します。もしかしたらこのファイルに直接触る必要はないかもしれませんが、上級者の利用者はこの設定ファイルを使って、まだ設定のためのダイアログボックスがないような追加の設定項目の変更ができます。 NVDAは自動的に変更された設定項目を保存することはありませんので、もしNVDAを終了させて再度起動すれば、設定項目はオリジナルの状態に戻ります。 設定を保存するには、NVDAメニューの中の設定情報の保存という項目を利用するか、任意の場所からNVDA+Control+cを押す方法があります。 もしNVDAがCDのような読み取り専用のファイルシステム上にある場合は、設定を保存することはできず、その旨が通知されます。 もしも設定に失敗して、すでに保存されている設定状態に戻さなければならなくなった場合は、NVDAメニューの中の"保存された設定に戻す"という項目を利用するか、任意の場所からNVDA+Control+rキーを押すことで、すでに保存されている設定状態に戻すことができます。
NVDAによるWindows操作の最も一般的な方法は、通常のキーボードコマンドによる移動、 すなわちTabキーとShift+Tabキーによる前後移動、Altキーによるメニューバー呼び出しとメニュー操作、Alt+Tabキーによるアプリケーション間の移動です。 これらの操作を行うと、NVDAはフォーカスされているものを通知します。 NVDAがオブジェクトにフォーカスされた時、通常はオブジェクトの名前、タイプ、状態、値、説明、キーボードショートカット、位置情報を通知します。 これは他のスクリーンリーダーと全く同様です。 しかしながら、オブジェクトのタイプは少し異なっている場合があります。
フォーカスで移動すると役に立ついくつかのキーコマンドがあります:
フォーカスが編集カーソル(システムカレット)のあるオブジェクト上にある時、あなたは周囲を指し示して、通常通りに編集できます。 NVDAは文字・単語・行の移動および、テキストの選択・非選択状態を通知します。 システムカレットで移動する時、レビューカーソルの位置もそれに合うよう更新されます。 NVDA+下矢印キーで全文を読む(全てを読み上げる)こともできます。 しかし、レビューカーソルを移動するだけのテンキー(+)と異なり、読み進めるに従ってシステムカレットも移動する点に注意してください。
フォーカスを動かさずにざっとオペレーティングシステムを見回したい場合、NVDAのオブジェクトナビゲーションが使えます。これにより、ツリー状構造でオブジェクト間を移動することができます。 オブジェクトのツリー構造は、デスクトップウィンドウ(ツリーのルート)で始まります。ツリーの最初の分岐は、現在実行中のアプリケーションであり、もちろん、これらのアプリケーションには、自身の様々な部分を表している分岐(オブジェクト)があります。 ツリー構造は大きくなることがありますが、論理的な順序で移動できますので、必要な情報をすばやく見つけられます。 この構造は、オブジェクトが画面上でどう配置されているかではなく、論理的にどう関連しているかを示しています。 これに慣れるには少々時間がかかるかも知れませんが、一旦把握すれば非常に簡単に移動できるようになります。 NVDAは現在、ビデオインタセプトドライバーや表示フックがないため、スクリーンベースのレイアウトでオブジェクト間を移動できません。 NVDAはスクリーンと対話しません。平坦なスクリーンレイアウトを描画しようとする事よりも、アプリケーションとオペレーティングシステムを非常に明確かつ論理的に認識させる事が重要だからです。 全てのアプリケーションが完全なツリー構造であるわけではありませんが、これは特定のアプリケーションの開発者次第です。 大部分はOKのようです。確かに、大部分のダイアログボックスと高度に構造化されたアプリケーションが、それを正しくしたようです。 オブジェクトの操作には、以下のキーを使います:
注意: テンキー使用前にnumlockキーをオフにしておく必要があります。
フォーカスを動かすともに、操作オブジェクトは変わります。しかし、特定のオブジェクトに操作をロックしたい場合は、フォーカスが変わらないように、NVDA+7キーでオブジェクト操作をオフにすることができます。
時には、何がどのように綴られているかを知りたくなったり、単語を読む必要があるかも知れません。 あなたは現在のオブジェクト内のテキストを以下のキーで読み返す事ができます:
注意: テンキー使用前にnumlockキーをオフにしておく必要があります。 ほとんどのオブジェクトにおいては、内部のテキストは名前、値、および説明で成り立っています。 しかし、実際にテキストを持つオブジェクト(または編集可能なコンテンツ)においては、そのテキストがオブジェクトの実際のテキストになります。 例: リスト項目に、名前、値、および記述を含むテキストがあるとします。 しかし、編集フィールド、またはコマンドプロンプトウィンドウは、フィールドかウィンドウにある実際のテキストを持っています。 オブジェクトに編集カーソル(システムカレット)があり、動く時、レビューカーソルもその位置に更新されます。 レビューカーソルの位置を維持し、カレットと連動させたくないなら、NVDA+6キーを押すことで、カレットのレビューカーソル移動機能をオフにできます。 レビューしているテキストの一部をコピーすることができます。例えば、文字チャットプログラムで誰かがあなたに送ったインターネットアドレスをコピーしたいことがあるかもしれません。まず、テキストをコピーするために、コピーしたいテキストの最初の文にレビューカーソルを移動し、NVDA+f9 を押します。そして、テキストの最後に移動して、NVDA+f10 を押します。そのテキストは、クリップボードにコピーされ、他のどこかに貼りつけることができます。もし、システムキャレットを使ってテキストを移動し、普通の control+c コマンドを使用してコピーすることが、そのプログラムで既にできているのなら、この方法を使う方がいいでしょう。
NVDAはデフォルトの設定の場合、マウスを動かすと、マウスポインタの直下にあるテキストを通知します。サポートされている場合はテキストを、段落、行、単語、文字列単位で読むことができますが、一部のコントロールでは1行単位での読み上げしか行えないこともあります。 またNVDAは、(リストやボタンなどの)マウスが通過したコントロール項目のタイプやオブジェクトの種類を通知することもできます。この機能は、全盲のNVDA利用者がテキストだけでは情報が不十分だと感じるときに利用できるかもしれません。 NVDAは、ビープ音の変化によってマウスポインタが画面上のどこに位置しているかを利用者に通知する機能を持っています。音程が高くなることでマウスポインタが画面上の上に移動していることを表し、音が右よりまたは左よりに移動することでマウスの左右への移動を表します(利用者がステレオ出力できるスピーカーを使用している場合に有効です)。 これらの追加機能はデフォルトのNVDAでは有効化されていませんが、もしこれらの機能を利用したい場合は、NVDAメニューの中の設定メニューの中にある、マウス設定ダイアログから動作を変更できます。 物理的なマウスやトラックパッドは、それで案内するために使用されるべきですが、NVDAには、マウスに関する数個のキーコマンドがあります。
ウェブページのような、複雑で読み込み専用の文書は、NVDAでは仮想バッファー内に表現されます。 仮想バッファーとは、文書原文のフラットな表現であり、ユーザが文書中にある本文とフィールドを読み上げさせることを可能にします。テキストが、リンクなのか見出しなのかといった情報は、移動するごとに通知されます。 仮想バッファーの中には二つのモードがあります。ブラウズモードでは、仮想カーソルを使ってすべてのテキスト上を動き回ることができます。フォーカスモードでは、直接コンテンツ上のコントロール(エディットフィールド、コンボボックス、ラジオボタンなど)と、通常使用しているキーを使ってやり取りをすることができます。ブラウズモードを使用している時、Tabキーやクリックなどで特定のコントロールに移動した場合、NVDAは必要に応じて自動的にフォーカスモードに変更することができます。変更が必要なコントロール上でEnterやSpaceを押した場合も、フォーカスモードに変更できます。NVDA+Spaceキーを押すことで、手動でフォーカスモードに変更することもできます。Tabキー操作やクリックに、Enter/Spaceキーによって、もしNVDAが自動的にフォーカスモードに変更された場合でも、Tab操作やクリックを押すことで、フォーカスモードが必要ない部分に移動した場合やESCキーを押した場合は、自動的にブラウズモードに戻ります。しかしながら、もしNVDA+Spaceキーで手動でフォーカスモードに変更した場合は、手動でブラウズモードに戻すまではフォーカスモードのままになります。フォーカスモードの場合はいつでも、ESCキーを押すかNVDA+Spaceキーを押すことで、ブラウズモードに戻ることができます。 NVDAメニューの中の、設定メニュー内の仮想バッファー設定ダイアログでは、自動的にフォーカスモードとブラウズモードを切り替える機能を無効にできます。
目下NVDAはMozilla Firefox、Microsoft Internet ExplorerとAdobe Readerにおける読み上げのために仮想バッファーを使用しています。
より素早く操作するために、NVDAは仮想バッファー上の特定のフィールドにジャンプするための単一文字によるナビゲーションも提供しています。 指定されたキーによって次のフィールドにジャンプをし、シフトキーと組み合わせることで、前のフィールドにジャンプします。
利用可能なキー:
仮想バッファーのキーを機能させずに、フォームフィールドを操作したい場合があるかもしれません。仮想バッファーのパススルーモードは、その場合に対処するために作られたもので、NVDAキーとスペースキーを押すことにより、有効化と無効化を切り替えます。 通常は、フォームフィールドに差し掛かると仮想バッファーは自動的に有効になり、新しいページを読み込んだときは無効となります。
仮想バッファー内でNVDA+f7を押して利用できる要素リストは、ページ内のリンク、見出し及びARIAランドマークのリストへのアクセスを提供します。ラジオボタンを使って、これらの三つの要素情報を切り替えることができます。ダイアログには、ページ内の特定の項目を検索するための補助となる、フィルターで使用できるエディットフィールドも提供されています。 項目を選択したら、ダイアログ内で提供されているボタンを使ってその項目に移動するか、項目を有効化することができます。
ページには、Adobe Flash や Sun Java のような技術を使った rich content が含まれていることがあります。仮想バッファー内でこれらに出会えば、NVDAは"埋め込みオブジェクト"と案内します。これらのオブジェクト上でenterキーを押すと、これらを操作できます。もし、それがアクセシブルなら、 次に、周辺をタブで移動して、他のアプリケーションのようにそれを操作できます。ページに戻るには、NVDA+space を押します。
NVDAは常に更新されているため、本ユーザーガイドに記載されているコマンドがすべて機能するとは限りません。 もし本ユーザーガイドで紹介されているコマンドの動作に問題がある場合は、最新情報を得るためにhttp://www.nvda-project.org/を訪れてください。